大学のアルバイトが僕のサークル活動の代わりとなる交流の場となった

アルバイト

大学1年の時、友人や他者との交流を求めて放送研究会サークルに入会した。しかし、自己中心的な考えや被害妄想が原因で、結局、2ヶ月でサークルを辞めてしまった。大学には固定のクラスが存在しないため、サークル活動をしていないと非常に孤独に感じることが多かった。そこで、人々との交流を求め、僕が選択したのはアルバイトだった。

加えて、学費を親から全額支給してもらっている身、少なくとも自分の小遣いや昼食代くらいは自分で稼ぐべきだと考えていた。高校時代にアルバイトの経験がなく、人と接するのが得意ではない僕にとって、アルバイトは初めての社会経験で、非常に緊張していた。

大学1年の6月、親の勧めで家から2キロほどの距離にある百貨店の流通センターで、お中元の仕訳や出荷のアルバイトが募集されていることを知り、応募した。自分にはこの仕事が務まるのか、大変な不安を感じていた。主な勤務日は土日で、物理的な作業が中心だったが、軽いお中元の品物の運搬は可能だった。6月初旬から7月初旬の1ヶ月間、無欠勤で続けることができ、初めてのアルバイト経験を得ることができた。

多様な学生との交流のために単発バイトを選ぶ

大学1年時、私は中国拳法のサークルに所属していたため、アルバイトの選択は土日を中心としていました。アルバイトをただお金を稼ぐ手段としてではなく、同年代の学生との交流を目的に選ぶことに決めました。そして、楽しそうなアルバイトを探し、キャンペーンスタッフやその他の単発バイトに応募することにしました。

そのバイト内容は、コンサート会場での搬入・搬出や警備などでした。登録制のバイトだったので、私の好きなときに仕事を選ぶことができました。搬入・搬出は決して軽い仕事ではなく、コンサート関係者は素早く、厳格に動くことが求められました。私もその流れに乗り、機敏に作業を進めました。このバイトでは多くの学生が参加しており、深い友情は生まれなかったものの、日常の会話やサークルの話などをするのはとても楽しかったです。

特に、日比谷の野外公会堂や渋谷のホール、晴海など、私がこれまで行ったことのない場所での仕事だったので、それも新鮮でした。

当時の私は、人前で話すのが苦手で、吃音の傾向がありました。しかし、バイトの中には拡声器を持って大勢の人々を誘導する役目もありました。最初はとても緊張し、自分の吃音が拡声器で放送されることに恐怖を感じました。しかし、その誘導の役目も私の順番が来たとき、驚くほど自然に行うことができました。これは、吃音症の私にとって大きな自信につながる経験となりました。

また、このアルバイトでは同年代の女性とも仕事を共にすることが多かった。その中で知り合った男性の学生と一緒に声をかけてみたものの、想像通りの反応は得られませんでした。しかし、この経験を通して、アルバイトを通じての出会いの価値を実感し、さまざまなアルバイトを通じて新しい出会いが期待できるかもしれないという希望を持つようになりました。

イベント会社のアルバイト

その後、夏にイベント会社でのアルバイトを経験した。確かに三軒茶屋でのイベント会場設置や運営のアルバイトだったと思う。ここでも多くの学生と共に仕事をしたので、毎日が刺激的だった。人と関わるのが苦手な私でも、このような場所では何故か少し開放的になれた。また、同じような気質を持つ人も多く、大学の話やその他の日常の話で盛り上がった。

秋には、コダックのキャンペーンスタッフとしてのアルバイトに応募した。これは、コダックの使い捨てカメラのデモンストレーションや製品PRを行う仕事だった。主に大型店やカメラ店で、製品をPRし、お客さんに購入してもらう活動を行った。私にとっては少し苦手な仕事だったが、以前のコンサートの仕事で大勢の人を誘導した経験があったので、これも乗り越えられるだろうと思い、挑戦した。実際、吃音の私でも、一度大きな声で自己アピールをすると、何故か緊張がほぐれ、堂々と「いらっしゃいませ!」と、製品をPRできるようになった。

キャンペーンアルバイトで女の子を初めて誘う

コダックキャンペーンのアルバイトで、2歳年上の当時大学3年生の女の子とペアになった。18歳の自分からみると、彼女は特別美人というわけではなかったが、化粧をしており、大人っぽく見えて少し心を惹かれた。

2人での仕事は初めてだったので、最初は緊張してあまり話せなかった。しかし、仕事を進めるうちに彼女との距離も縮まり、仕事の合間に会話を楽しむようになった。夕方仕事が終わるころ、すっかり打ち解けていた。

仕事を終え、帰る途中、勇気を出して「今晩、おごるから食事に行かない?」と提案してみた。自分から女性を誘うのは人生で初めての経験だった。心の中で「断られたらどうしよう」と不安に思いながらも、勇気を持って声をかけてみた。

彼女は僕の顔を見て、微笑みながら「いいですね、行きましょう」と返してくれた。

この瞬間は、とても嬉しかった。高校生まで女性経験が全くなかった自分としては、彼女が自分を受け入れてくれたことが、大きな自信へと繋がった。

場所は、確か川崎の居酒屋だったと思う。約1時間半、2人で酒を飲みながら、夕食を楽しみ、大学の話や色々な話をシェアした。

結局、その後彼女とは再会することはなかったが、これは女性が苦手な自分にとって、初の成功体験となった。