大泉に最後の手紙を書く

友人

2019年、日本はコロナウイルスの影響下に入った。それまでの僕は、暇な時にはスポーツクラブで汗を流すのが日課だった。特に週末はほとんど家にいず、フィットネスクラブに通っていた。しかし、コロナウイルスの自粛期間が始まると、フィットネスクラブも休業。何をすればいいのか分からなくなった。土日は家にいるのも退屈で、自転車で20キロ、30キロと遠出することもあった。そんな中で、時間ができて色々と考えることが増えた。

その一つが、大学時代の友人、大泉君に会いたいという思いだった。彼とは必ずしも気が合うわけではなかったが、なぜか大学の4年間、いつも一緒にいた奇妙な親友関係だった。しかし、卒業後はほとんど会っておらず、この20年間はほとんど会っていなかった。過去に彼の自宅に電話をかけたが、つながらなかった。昔は必ずお母さんが出ていたが、今は誰も出ない。しかし、電話がつながるということは、家そのものはまだ存在しているだろう。僕はなんとか大泉と連絡を取れないかと思ったが、自宅の住所を書いた紙を紛失してしまった。

しかし、インターネットで104のアーカイブを見つけ、そこでなんとか大泉の住所を調べることができた。ほとんど奇跡だった。

コロナ禍の中、僕は大泉が住んでいるという住所を訪ねたが、大泉の家らしい場所までは確認できたものの、表札がなく、確実な住所かどうかは分からなかった。

その後、手紙を出そうかと思ったが、コロナ禍では、手紙を出しても会えないかもしれないと思い、コロナが収まるのを待つことにした。

そして2023年、コロナが収まりかけていた。もう一つの問題は、僕が手紙を書くのが苦手だということだった。僕は筆無精で、それが遅れた原因だった。

しかし2022年、CHATGPTという素晴らしいAIが登場した。僕の筆無精をこのAIが助けてくれた。AIを使って手紙を書き、最後に大泉に会えるようにと祈りを込めて投函した。僕のメールアドレスや電話番号、住所、LINEなどを記載しておいた。

ただ、大泉がその住所にまだ住んでいるという確証はない。他に引っ越している可能性もある。また、手紙が届いても、大泉がそれを開けるとは限らないし、開けたとしても、僕に会いたいと思うとは限らない。しかし、会えれば最高だ。

僕は死ぬときに後悔したくない。この年になって、昔の青春時代を過ごした友人ともう一度酒を飲みたいというのが純粋な気持ちだ。もちろん、お互いの状況は変わっていて、昔のように接することはないかもしれない。それでもいい。それで自分の気持ちを納得させたい。

とにかく、今の自分から前に進みたい。大泉に会いたい。

結局、手紙を出して1か月が経過したが、何の連絡もない。大泉が手紙を読んだかどうかは不明だが、人にはそれぞれ事情がある。自分にも、今は誰にも会いたくない時がある。それを理解している。

自分の願いは叶わなかったが、それでOKだ。大泉との思い出は大切に心の中にしまっておこう。

そして、これでブログも書いて気持ちもすっきりした。これが大泉との最後だ。自分は後悔のないように、やるべきことをやった。

これでベストを尽くした。

友人