大学受験: 奇跡の現役合格の背景

高校生の時

私にとって人生の大きな転機

36年前、高校生だった私は頭の良い生徒とは言えなかった。私が通っていた高校は、学区内では中堅クラスであり、その中でも私の成績は平均以下だった。当時は大学受験戦争の真っ只中、第一志望、第二志望が合格するのが当たり前の世代だった。私の高校では、現役で4年制の大学に進学する生徒はごくわずかで、クラスの中で1人くらいしかいなかった。

しかし、私の人生が一変したのは、大学の中国拳法サークルに参加し、学園祭でのその活動に触れたことだった。その経験を通じて、「大学ってこんなに楽しいんだ」と感じ、それまで友人が少なかった私の心に大きな変化が生まれた。大学に絶対に入りたいという強い意志が湧き上がり、私は勉強に対する姿勢を一新した。3年生の12月から受験勉強を本格的に開始し、楽しかった中国拳法サークルの活動も一時休止を決意。しかし、私は心の中で「大学に入学したら、再びこのサークルで活動を再開しよう」と誓っていた。

この経験は、私にとって人生の大きな転機となった。一つの出来事が、未来の選択や意識を大きく変えることがある。私の場合、それが中国拳法サークルとの出会いだったのだ。

執念の日々

大学受験に臨むため、大船の代々木ゼミナールでの学びを選んだ。親の献身的なサポートには感謝の気持ちでいっぱいだった。その予備校はさすがの名門で、講師たちの講義はわかりやすく、自身の成績も向上していった。クラスの多くの生徒たちはリラックスしており、遊びに行くこともしばしば。しかし、私は孤独を武器に、一心不乱に勉強に没頭した。日々、最低4時間から最高8時間の学習を続け、過去最高の勉強量を記録していった。周りの生徒たちは大学合格を前提にしていたが、私は厳しい現実を認識し、他人の2倍の努力を続けた。そして模試の結果も上昇し、12月には現役での合格が見えてきた。

代ゼミ講師からの貴重な教え

代々木ゼミナールでの英語の講師の教えは、私の人生に大きな影響を与えた。ある日の授業中、彼は英語の内容をほんの一瞬触れただけで、残りの時間を勉強法について熱く語り始めた。彼の言葉の核心は「基礎の重要性」だった。多くの受験生が上位大学を目指す際、応用の問題に挑戦することが重要だと思い込んでいるが、実際には基礎がしっかりと身についている者こそが成功する、と彼は言った。

その講義により、私は勉強法の迷いを払拭し、基礎に専念することを決意した。それは学問だけでなく、仕事やスポーツ、さまざまな趣味にも通じる真理だった。私は社会人としても、仕事や新たに始めた柔術での練習において、常に基礎を大切にすることを心がけた。特にスランプの時期は、この基礎を徹底することが成功への鍵だと学んだ。

代ゼミの先生の教えは、私の人生の指針となり、どんな状況でも基礎を大切にすることの大切さを再確認させてくれるものだった。